12: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/04/13(金) 03:16:35.27 ID:NDASyQPp0
○
「りんー」と間延びした調子で私を呼ぶ声と、肩を軽く揺する振動で目を覚ますと、もう家の前に到着していた。
「あ、ごめん」
「ううん。疲れてたよな。連れ回してごめん。ゆっくり休んで」
「うん」
「じゃあまた」
「うん。おやすみ」
中途半端に覚醒した脳で言葉を紡いで、のっそりと車を降りた。
プロデューサーが手を振り「またね」と言って、車を発進させる。
その後ろ姿が見えなくなった頃に、私の意識は戻ってきた。
やっちゃったなぁ、と後悔しながらポケットから携帯電話を取り出す。
すぐさまメッセージアプリを開いて文字を入力して、送信。
『今日はありがとね。寝ちゃってごめん。ごはんご馳走様でした』
瞬く間に既読の通知が表示され、その数秒後に返信が来た。
『かわいいやつめ』
画面に向かって「うるさい」と呟いて、携帯電話をポケットにしまった。
おわり
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