17: ◆Hnf2jpSB.k[saga sage]
2018/04/12(木) 19:42:20.91 ID:b5T3fSU/0
あれ?
バゲットを握りしめたライラさんの腕がプルプルしてます。
さっきまで笑ってた口もへの字になって。
「ライラさん、何してるんですか?」
「あー、みちるさんと半分こしようと思いましたのですよ」
その言葉とともに差し出されたバゲットは、ライラさんの手の中のものより少し大きい。
いやいや、確かにそのバゲットは大好物ですし、食べられるのならそれはとても嬉しいのですが。
「いえっ、それはライラさんにあげたものですから」
でも、ライラさんが手をひっこめる様子はありません。
「わたくしは、みちるさんの優しい気持ちがとても嬉しかったのです」
柔らかい笑顔を浮かべたまま、ライラさんは言葉を繋ぎます。
遠慮をしているとかそういうのではなくて、まっすぐな感謝の気持ちが届いてきました。
「その嬉しい気持ちを、みちるさんにもおすそ分けしたいのですよー」
綺麗な青い瞳があたしの目に飛び込んできました。
「本当は貰ったものではなくて、ライラさんが自分で何かお返しをしたいのですが」
ちょっと恥ずかしそうに笑って、ライラさんが言いました。
今このときの嬉しい気持ちを、そのまま分け合いたいから、と。
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