27: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2018/04/09(月) 00:18:14.41 ID:BEFLqt5g0
それに、感謝しかないのはこっちだって同じだ。夢破れて何も無かった自分に、夢をくれたのは比奈なんだ。
「荒木比奈のプロデュース」という夢をくれたのは、他でもない、交差点で出会った彼女なんだ。あのときから、僕の人生は再スタートを切ったんだ。比奈みたいに弱い自分と向き合いたいと、心の底で思えるようになった。だから、お礼を言うのはこっちの方なんだ。
さっき、比奈は多くのこと話してくれた。僕はただ聞くことしか出来なかった。ありがとうが言えなかった。届けたいことを届けられなかったんだ。僕のことを、話すことが出来なかった。
「まだまだだな、僕は…」
自己嫌悪にかられて、それから決意をした。比奈に、自分の事を話して、そして感謝を伝えよう。夢をくれたことに、ありがとうと言おう。
比奈のように、強くなろう。
それらを心に刻んで、僕は椅子から立ち上がる。今日はなんだか、歩いて帰りたい。あの交差点に、もう一度行きたい気分だった。
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