20:名無しNIPPER[saga]
2018/04/07(土) 22:33:00.99 ID:ti9kriyWo
「あの……もしかして、今日は何か、ご予定が……?」
引退した三年生が居るからには、何か特別な予定があるのかもしれない。
今日自分がここに来たのはタイミングが悪かったか。
千早さんはそんな風に考えたように見えました。
だから私は、単刀直入に言いました。
ライブ、観に行ったよ、と。
「え……?」
千早さんは目を丸くしました。
行ったのは私だけだけどね、と付け加えると、彼女は見開いた目を私の周りのみんなに向けました。
そしてみんなの表情を見て、事情は把握しているのだと理解したようでした。
千早さんは、覚悟を決めたように唇をきゅっと引き結びました。
「まず一言、謝らせてください……。皆さんには、色々と、嫌な思いをさせてしまったと思います。
本当に、ごめんなさい。それから、謝るのがこんなに遅くなってしまったことも……」
そう言って千早さんは深々と頭を下げました。
みんなはやっぱり、驚いていたようでした。
けれど、信じられないという顔ではありません。
寧ろ、自分たちにも謝るべきことはあるのに、とそんなふうに思っているように私には見えました。
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