新入部員の如月千早さん
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17:名無しNIPPER[saga]
2018/04/07(土) 22:19:47.24 ID:ti9kriyWo
「今から、一年弱ほど前……とある合唱で、私はこの歌を聞きました。
ですが、歌ってくれた人たちに感想を求められた私は、酷評してしまったんです。
技術が足りていないから、もっと努力するべきだ、って。
けれど今になって思えば……私は、確かに惹かれていたんです。
そうでなければ、私は彼女たちの元へ足を運ぼうなどとは思わなかったはずです。
ただその時は視野が狭く、見えていなかっただけで……。
無意識的なところで、私は間違いなく、その合唱に惹かれていました」

「……とても楽しそうに、歌っていました。
自分たちの楽しい気持ちを、聴いている人に伝えたい。みんなにも楽しい気持ちになってもらいたい……。
そんな想いが込められていた彼女たちの歌は、本当に……素晴らしいものだったんです。
でも、それに気付いていなかった私は、彼女たちの歌を酷評し……。
そればかりか、歌に対する姿勢すら、否定してしまいました。
私は、学ぶべきだったんです。歌は技術や巧拙だけだけではないのだと……。
本当はそこで学ぶべきだったのに、酷く、遠回りをしてしまいました。
ですから、この歌は私にとって、大切なものであり、苦々しいものでもあるんです」

「けれど……ただそれだけで終わらせるわけにはいきません。
もうすぐ、あの日から一年を迎えるこの時に……。
私はこの歌を、感謝と、謝罪と……覚悟を込めて歌います。
今までは勇気が出ずに避け続けてきましたが、直接、想いを伝えに行く覚悟を。
今日、この歌に込めます。それでは、聴いてください――」


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