6: ◆tues0FtkhQ[saga]
2018/03/31(土) 11:34:33.20 ID:X17K8DuQ0
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「で、何やってたの?」
女の子の呼吸が落ち着くのを待って、とりあえず事情を聞く。
ここの主は一応僕であって、無断使用は無断使用だ。
そんな説明をすると、さっきまでの張り詰めた表情はどこへやら。
女の子は小さく縮こまって、全く目線を合わせてくれない。
「あの、えっと……ちょっと、ダンスの練習がしたいなと、思いまして」
「それで、勝手に音楽室に入り込んで、勝手に使ってたと」
そんなに怒ってはいないけれど、別に使ってもらっても構わないけれど。
なんだか珍しいお客様に、ちょっぴり言葉が昂ってしまう。
そんな僕の様子に、目の前の女の子はますます体を震わせて。
その通りですの言葉は、ほとんど消えてなくなりそうだった。
「名前は?」
「く、工藤、忍。1年生です……」
「じゃあ、同い年か。それで工藤さんは、どうしたいの?」
だんだんと僕が工藤さんをいじめているみたいになってきた。
なんで突然来たのかとか、いろいろと聞きたいことはあったけど、そうじゃなくて。
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