11: ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/03/30(金) 23:34:50.26 ID:hRbC8D020
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吟遊詩人「いやあ、素晴らしい旅になってきましたねえ」
勇者「・・・」ギロ
吟遊詩人「ひゃあ、怖い怖い」
勇者「証拠はない・・・だが、この旅の中起きた様々な苦難」
勇者「全て、吟遊詩人さん。貴方が企てたものだと私は踏んでいます」
吟遊詩人「いい顔ができるようになりましたね。それでこそ、物語の主人公だ」
僧侶「コワイコワイコワイコワイ、コワイコワイコワイ」
戦士「落ち着け、僧侶。何も怖いものはない、俺たちがいる」
僧侶「・・・・・・コワイコワイ」
吟遊詩人「しかし、僧侶殿が壊れてしまうとは私も予想外でしたね」
勇者「・・・」
吟遊詩人「ご安心を、まだ旅は終わっていない。僧侶殿はきっと帰ってきますよ」
吟遊詩人「そう。より強い力を身に着けてね」
戦士「あまり調子に乗るなよ」
勇者「吟遊詩人、貴方は以前言いましたね」
勇者「『何もかも順調な旅など読者は求めていない』と」
吟遊詩人「ええ、それがなにか?」
勇者「今は、何もかも貴方の思い通りに事が進んでいる。なれば、読者から見放されるのもそう遠くないのではないですか」
吟遊詩人「それはないですよ。私は、常に読者側の視点に立っている」
吟遊詩人「だからこそ、読者が真に求めているものを理解できているのです」
吟遊詩人「節度を保って物語をコントロールしている限り、私に間違いはおきません」
勇者「いつか、読者に見限られる日が来ることを切に願うよ」
吟遊詩人「・・・精々、その時まで稼がせてもらいますよ」
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