「それでは、勇者の面接を始めます」
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99: ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/04/22(日) 10:49:31.71 ID:AjSdyyFV0

大司教「考えられなくはないが、違うと儂は思っておる」

大司教「あやつの言動は、許しを乞いに来た者の物とは違っておった。むしろ、罰を受けに来た感じじゃの」

行政官「そうですか?……その割に、財産の没収をチラつかせたら明らかに焦ってましたけど」

剣聖「正直、意地が悪いなと思ったぞ」

行政官「すこし苛ついていたものですから」

大司教「儂はな、あやつから迷いを感じ取ったのじゃ」

行政官「迷い……ですか?」

大司教「何の間で揺れているのかはわからん。治めてもおらん民への罪悪感か。痛みへの恐怖心か。はたまた、無為に時間を過ごすことへの危機感か」

大司教「そういった迷いの中、あやつはこの面接を受けに来た。それはつまり、自分で決めきれなかった決断を、儂らに委ねたということではなかろうか」

剣聖「なんと軟弱な。そんな覚悟の無い奴は、やはり勇者にはしておけん気がしてきた。いや、俺が鍛えればあるいは……」

行政官「あなたが揺れ動かないでくださいよ」

大司教「覚悟の無い奴か。そうじゃのう剣聖よ」

大司教「あやつはある意味、罰を受ける覚悟をしてきたとはとれんか?」

剣聖「物は良いようだな」

剣聖「だが犯罪者が自首してきたと考えれば……まあ確かに覚悟が無いとできないことではあるが」

行政官「いやいやいや、今のところ全て大司教の想像に基づくものですからね」

行政官「大司教の人を見る目は信用していますが、それはあまりにも飛躍していませんか?」

行政官「だいたい彼は『勇者になりたくない』と大声で叫んでいたではありませんか」

大司教「……だって、儂はそう思ったんだもん」

行政官「そう思ったんだもんって……まさか」

行政官「あなた、私の今後を慮って大ぼらを吹いてるわけじゃないですよね?」


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