72: ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/04/13(金) 16:45:21.27 ID:/2tjzfVC0
剣聖「何も有象無象の中から選ぶわけではない。少しは妥協してもいいんじゃないか?」
行政官「あなた方がそれを言うのですか?」
剣聖「俺たちは、例えこの仕事に失敗しても職を失うわけではないからな。だがお前はどうだ?」
剣聖「最悪、国家反逆罪なんてのもあり得るんじゃないのか?」
大司教「反逆罪はなくとも、背任罪は免れぬのではないか?儂らは、お主の身を案じているのじゃよ」
行政官「だめです。私たちが勇者を作り出すわけには行かない」
大司教「意地・・・だけではないな。何につけ論理的なお主じゃ。他にも理由があるのではないか?」
剣聖「話せ」
行政官「・・・魔王軍が大陸で猛威を振るう中、各地でそれに抗い続けている者たちがいます」
剣聖「王国騎士団だな」
行政官「いえ」
剣聖「・・・む」
大司教「騎士団は都市部の防衛で手一杯じゃ。冒険者達のことじゃろう」
行政官「そうです。正規の訓練を受けず、自前の装備で戦っている冒険者達です」
行政官「そんな彼らが数でも質でも勝る魔王軍に立ち向かえるのは、彼らの志にあるのです」
大司教「確かに、モチベーションは大事じゃの」
剣聖「精神一到何事か成らざらん」
行政官「それは敵討ちであったり、強い正義感であったり、恋人の為であったり、名声のためであったり」
行政官「魔王を首を挙げ『勇者』に成るというのも、その最たる一つだと私は思うのです」
剣聖「『勇者』への憧れが、彼らの力の源になっているということか」
115Res/104.64 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20