「それでは、勇者の面接を始めます」
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71: ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/04/13(金) 16:44:51.49 ID:/2tjzfVC0

――――――

剣聖「・・・俄かには信じられんな。手を抜いたのではないか?」

行政官「当時の彼は、本当に華奢だったのですよ」

大司教「あの勇者が、木っ端役人に喧嘩で負けるとは・・・意外じゃ」

行政官「次に彼に会えたのは、彼が魔王を打倒し。『勇者』の称号を得る記念式典でのことでした」

行政官「私は、自分の目を疑いましたよ。そこに立っていた勇者は、間違いなくあの虚弱な元衛兵だったのですから」

行政官「まさか、喧嘩で私に負けるような男が魔王を打倒すだなんてね。こんなことなら、私も魔王に挑戦しておけばよかったと後悔すらしましたよ」

剣聖「勇者は―――旅の中で、成長したということか」

大司教「まったく人の可能性というものは無限大じゃのお」

行政官「そう、まさにそれですよ大司教様」

行政官「人には無限の可能性がある。誰しもが魔王を倒しうる可能性があるんです」

行政官「そして、その奇跡をなしたものこそが勇者と称されるべきなのです。決して、私たちだけで決めていいものではないはずです」

大司教「なるほどのう。お主も、お主なりの勇者観に基づいて仕事をしていたというわけか」

剣聖「だが、そうは言ってもだ。その勇者を決めるのが俺達の仕事だ」

大司教「その通り。そして付き合いの浅い儂らでさえ、お主の意図に気づいたのじゃ」

大司教「このままじゃお主、罷免されかねんぞ」

行政官「既に・・・情報部は感づいているようです。なんとか、抵抗を試みていますが時間稼ぎ程度しかできていません」

大司教「意地を張って、せっかくの出世コースを台無しにする気か?」

行政官「・・・出世に興味はありませんよ」

剣聖「ここに来る候補者たちはみな優秀だ。魔王を倒す可能性も非常に高いだろう」


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