30: ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/04/07(土) 11:03:23.15 ID:hNg45iQ40
剣聖「買いかぶりすぎだな」
剣聖「・・・それほど、あの優男は強くはないぞ」
行政官「剣聖殿の剣を片手で止めるほどの男ですよ?」
剣聖「力はな。だが魔王は力だけで戦える相手ではない」
剣聖「魔王は、力で及ばないとわかれば躊躇なくからめ手を使ってくるだろう」
行政官「搦め手」
剣聖「脅し、賺し・・・そうだな、例えば若い女を人質にとるとか」
大司教「あれだけ強ければ、対処できそうではあるが」
剣聖「できんな。あの男には歴戦の戦士が放つ強者の貫録がなかった。行く手を阻む大壁に立ち向かう経験を、ろくにしていないのだろう」
剣聖「童貞は、初夜に想定外のことが起きればパニックを起こす。折れてしまう」
剣聖「強き心があれば、立ち直ることもできよう。しかし、あの男にはそれができるだろうか」
行政官「これから経験していけばいいのでは?」
剣聖「あの妙な力が、それを許すまい。あの男が、初めて出会うであろう困難は、それはそれは強大なものだろう」
剣聖「なにせ、神から与えられた力ですら簡単には超えられない壁なのだから」
行政官「・・・神から与えられた力。そう、そこも問題なんですよね。まさか異教の神の力を授かるとは」
大司教「なに構わんさ、儂を含め女神正教は女神様を唯一神としているわけではない」
行政官「しかし、神託は女神正教から・・・」
大司教「女神様だって、他の神の肝入りに乗っかることもあろうさ」
行政官「大司教様、意外に融通が利きますよね」
大司教「意外には、余計じゃな」
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