「それでは、勇者の面接を始めます」
1- 20
29: ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/04/07(土) 11:02:56.59 ID:hNg45iQ40
――――――

行政官「そ、それでは審議を始めましょうか」

大司教「・・・正直、評価が難しい男であった」

行政官「おや、意外ですね。大司教様なら、この世界とは違った価値観を持つ彼を高く評価すると思ったのですが」

大司教「まあ、革新的な考えを持ってはいるようだが。彼の場合は、ちょっと違うな」

行政官「と言いますと」

大司教「確かに、彼の持っている知識や価値観はこの世界をかき回してくれるだろう」

大司教「しかし、それは彼自身の力によるものでは無いというのがな」

剣聖「・・・同意する」

行政官「続けてください」

大司教「勇者には、どこか普通でない部分が必要というのは儂の持論だが。今日の彼、おそらく普通なのだ」

行政官「なんだかはっきりしませんね。彼が普通でないことは、明らかだと思いますが」

大司教「この世界ではな。だが、異世界ではどうだったのだろうか」

大司教「彼が、彼の育った故郷でどれほどの男であったと思う?儂は、凡百に埋もれる一人の普通であったと思うよ」

行政官「ちなみにどういった点から、そのように思われるのですか?」

剣聖「・・・奴の顔は、幼すぎる」

大司教「うむ、社会は異常者に厳しい。異物の排除が安定を生むことを知っているからな」

大司教「世の異常者達は必然的に、多くの困難に立ち向かうことになるであろう。しかし彼は、困難を超えてきた人間とは到底思えぬ人相であった」

大司教「それに加えて、あの貧相な体つき。力に驕った態度。神に授けられた、あの力が無ければ道端の石ころよ」

行政官「なるほど。しかし、あれほどの力があれば魔王討伐も容易いのでは」

大司教「確かに。あの力ならば復活した魔王と言えど対抗できはすまい」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
115Res/104.64 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice