616: ◆on5CJtpVEE[saga]
2020/08/13(木) 00:43:15.16 ID:HC/e3twa0
スポットライトに照らされて。
私が声を張り上げようとした瞬間。
617: ◆on5CJtpVEE[saga]
2020/08/13(木) 00:43:47.62 ID:HC/e3twa0
私は拳を握りしめた。
この向こうで、あの子は一人きりで。
618: ◆on5CJtpVEE[saga]
2020/08/13(木) 00:44:13.99 ID:HC/e3twa0
私は握りしめた右手を、大きく振りかぶる。
そして、全ての力を右手に込めて。
619: ◆on5CJtpVEE[saga]
2020/08/13(木) 00:44:46.74 ID:HC/e3twa0
がちん。
620: ◆on5CJtpVEE[saga]
2020/08/13(木) 00:45:18.10 ID:HC/e3twa0
もう一度、振りかぶる。
投げる。
621: ◆on5CJtpVEE[saga]
2020/08/13(木) 00:45:59.19 ID:HC/e3twa0
きっと、次が最後。
ねえ、春香。
622: ◆on5CJtpVEE[saga]
2020/08/13(木) 00:46:33.30 ID:HC/e3twa0
私は、全ての力を振り絞って。
全力だったさっきよりも、さらに全力で。
623: ◆on5CJtpVEE[saga]
2020/08/13(木) 00:46:59.58 ID:HC/e3twa0
さいころが、壁に当たる。
物音一つ立てず、壁に当たる。
624: ◆on5CJtpVEE[saga]
2020/08/13(木) 00:48:04.81 ID:HC/e3twa0
静かに、水が壁面を伝うように。
細いひびが、波紋のように広がって。
625: ◆on5CJtpVEE[saga]
2020/08/13(木) 00:48:32.46 ID:HC/e3twa0
ガラスの壁は砕けて、崩れ落ちた。
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