千早「賽は、投げられた」
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50:名無しNIPPER[saga]
2018/03/28(水) 17:18:45.72 ID:+0zrf0Mn0


さいころは振らない。

ただただ1マスずつ、駒を進めていく。


最初は、彼女に腕ごと駒を動かしてもらうだけだった。

仕方がないなぁ、などと言いながら。

少し嬉しそうに、私の駒を、一歩、また一歩と進めていった。


「もうちょっと、私の手助けが必要かな?」

「……まだ、私一人の力では、進められないわ」

「そっか。じゃあ、まだ握っててあげるね」


そう言いながら、手の力は徐々に弛んでいった。

逆行するように、私の腕には、ほんの少しだけの力。




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