498:名無しNIPPER[saga]
2018/06/21(木) 23:33:44.30 ID:lsNzXGhZ0
北天で星が螺旋を描く。
いつかプラネタリウムで見た、天球の動き。
天を仰ぎ見る私の内は、これまでになく晴れやかだった。
「もう、遮るものは何もない」
「あとは、私が前へ踏み出すだけ」
いつしか、扉もなくなっていた。
眼前にあるのは、大きな大きな硝子張りの窓。
窓の向こうに、広い広い世界が見える。
そして、その世界の最奥に。
地平線に消えゆきそうな、ずっと遠くに。
とてもとても懐かしい。
一人で寂しく泣いている。
後姿が見えた。
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