千早「賽は、投げられた」
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463:名無しNIPPER[saga]
2018/05/12(土) 20:58:38.63 ID:UwCpiQvo0

消しゴムで消す。

シャープペンシルで書く。

ふと逡巡して手が止まる。

書いたばかりの字をぐしゃぐしゃと書き潰す。


幼子が初めて歩こうとするみたいに。

誰に命じられたわけでもないのに。

転んで、泣きながら、それでも歩こうとする。

立ち上がろうとする。

私の筆は、まさにそれだった。


言葉が現れる度、様々な思い出が過ぎる。

その度に、笑みが零れる。

涙が零れる。


日記を書く春香も。

こんな気持ちになることが、あったのかしら。


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