千早「賽は、投げられた」
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334:名無しNIPPER[saga]
2018/04/09(月) 21:45:39.35 ID:Zo4S+Uss0

「如月君」

「放っておいてください」


誰とも話したくなかった。

きっと、居たとしても、春香とも。


「今日――天海さ――母さ――事――所――」


何かを言っている社長を背に、私は走った。


「――記は――二冊とも――」


雨音が、水を蹴る音が、私の鼓動が。

社長の声を掻き消していく。

水たまりを踏むたびに、私は鞄を守るように身を縮こまらせた。


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