295:名無しNIPPER[saga]
2018/04/08(日) 21:22:14.44 ID:UnTjGLwD0
諦める、とは一言も書かれていない。
しかし、その心は明白だった。
その日以降、春香は“夢”について書かなくなった。
家族や友達と過ごす、楽しい時間。
眠る時間が増え、退屈な時間。
『この頃、一人ぼっちな気分になることが増えました』
幸せと不安が入り乱れた日々が少女にもたらす負担。
それは、少しずつ少しずつ、その心身を蝕んでいく。
天性の才能には恵まれず、努力を重ねることも許されない。
それどころか、思うように生きることすらもままならない。
そんな彼女にとって“夢”は、まさしく“夢”でしかなかった。
640Res/352.74 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20