284:名無しNIPPER[saga]
2018/04/08(日) 03:49:25.60 ID:UnTjGLwD0
でも、春香は目を開けてさえくれない。
何を思っていたのかをおくびにも出さず、ひたすら眠り続けている。
怖い。
たまらなく怖い。
私、本当は春香に嫌われていたのではないかしら。
本当は、春香は私の顔なんて見たくもないのではないかしら。
私が勝手に待ち焦がれているだけで、私が勝手に縋りついているだけで――。
「これ、預かってたんだ」
急に声をかけられ、ビクッと肩が上がる。
「春香の母さんがな、お前に渡してくれってさ」
そう言ってプロデューサーが懐から取り出したのは、二冊のノート。
一冊はかなり長い間使っていたようで、表紙が色褪せ始めている。
もう一冊は見たところ、比較的新しい。
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