277:名無しNIPPER[saga]
2018/04/08(日) 03:36:28.18 ID:UnTjGLwD0
「い、伊織ちゃん……ちょっと言い過ぎじゃないかしら……?」
「別にいいのよ、小鳥。ネジが何本か飛んじゃってるみたいだから、これくらいガツンと言ってやらないと」
塀の陰から、恐る恐る音無さんが姿を現した。
どうやら水瀬さんと一緒に来て、今の始終を見守っていたらしい。
「ほら、現場行くからさっさと車を出してよね」
「うぅ……あたしは運転手じゃないんですけどお……」
「新堂が忙しいから仕方ないじゃないの。満足してあげてるんだから感謝しなさいよ」
涙目の音無さんが、近くに停めてあった車に乗り込む。
私が退院する時に乗せてもらった、小さな軽自動車。
「あ、そうそう、千早!」
助手席に乗り込もうとした水瀬さんが、私の方を見て叫んだ。
「アンタも、もう少し自己中になりなさいよ。人に気を遣ってばかりでも、人生つまらないでしょ?」
水瀬さんが乗ると、音無さんの車はすぐに走り去っていった。
言い残された最後の一言のせいで、頬の痛みが増していった。
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