千早「賽は、投げられた」
1- 20
14:名無しNIPPER[saga]
2018/03/28(水) 16:49:04.42 ID:+0zrf0Mn0


震える手は、さいころを振ることを止められない。

まるで何者かに操られたかのように。

まるで死神にでも魅入られたかのように。

さいころを振る。


『1』


呼吸が荒い。

頬は、何か気持ちの悪い液体で、べしゃべしゃに濡れている。

駒を進める。

マスに書かれている文面は、先ほどとは変わっていた。

暖かさと明るさに満ちていたはずのマス目は、どこにもなかった。


『家族の幸せが途切れる』

『スタートに戻る』


ささやかな幸せは、もう欠片も残っていなかった。

大切なものを失っただけではなく。

かつて注がれていた愛情も、大きく変質してしまった。





<<前のレス[*]次のレス[#]>>
640Res/352.74 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice