伊織「『百年たってもやよいおり』? ……何よこれ」
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8:名無しNIPPER[saga]
2018/03/25(日) 22:21:36.45 ID:JKum/CnfO

「ご注文はお決まりですか?」

相棒と戯れているところへ不意に店員に声を掛けられて、伊織は慌ててメニューを手に取る。

自分が定食屋にいるということをすっかり失念していた。

メニューをじっと見る。

並んでいる料理名は確かにどれも見覚えのあるものだったけれど、昔日本にいた頃にさえこういう大衆向けの店に殆ど足を運ばなかった彼女のこと、名前を見てもどんな料理だったのかすぐには思い浮かばない。

これは確かこうだった、こういう感じの料理だったはずと思い出すように、メニューの一つ一つを確認していく。

でもそれはただの確認作業であって食べたいものを選ぶこととは違っていたので、彼女の食指はなかなか動くことはなかった。

「ごめんなさい、今決めるから。ちょっと待っててくださる?」

そう言って店員に目配せして、再び伊織はメニューに視線を落とす。

それを受けた店員がさっきの客たちのように真っ赤に茹で上がったことにも気づかない程度に、彼女は集中した。




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