9: ◆7OUWtrrklk[saga]
2018/03/22(木) 17:53:25.28 ID:i93qXE2v0
曙「ばっかじゃないの!? ばっっっっっかじゃないの!?」
提督「……返す言葉もない」
秘書艦、綾波型八番艦 駆逐艦である曙の怒号が司令室を震わせた。
10: ◆7OUWtrrklk[saga]
2018/03/22(木) 17:54:00.23 ID:i93qXE2v0
今、曙は提督と向かい合うように膝に座っている。
心臓は今にも破裂しそうにばくばくと脈打っており、こんなに緊張したのは生まれて初めてだった。
たぶん初めて戦場にに立った時よりも、初めて敵を轟沈させた時よりも緊張している。
提督「……曙は小さいな」
11: ◆7OUWtrrklk[saga]
2018/03/22(木) 17:54:40.79 ID:i93qXE2v0
「……帰投したわ。あら、大分すっきりした顔しているじゃない。……へえ? 曙が? ふぅーん」
「いいえ、私は別に何も言ってないわよ。今日の事はあの子が自分の意志でやったこと。え? 驚かないのか、ですって?」
「ぜーんぜん。そりゃあ見られた時は流石に驚いたけれど、私がむりやりアンタを襲っているように見える時点であの子も遅かれ早かれこうなってたわよ」
12: ◆7OUWtrrklk[saga]
2018/03/22(木) 17:55:13.02 ID:i93qXE2v0
13: ◆7OUWtrrklk[saga]
2018/03/22(木) 17:55:41.62 ID:i93qXE2v0
提督は優秀な男だった。
長男坊であったし、父も祖父も軍人であったため教育はしっかりしたものであった。
学校は首席で卒業し、空手や柔道、剣道などをはじめとした武道の成績も決して勉学に劣るものではなかった。
提督「…………」
14: ◆7OUWtrrklk[saga]
2018/03/22(木) 17:56:18.00 ID:i93qXE2v0
提督「ほぉ……、一度三つ編みにしてそれを巻くのか……」
満潮「慣れると結構簡単よ。見た目よりも手順は少ないしね」
提督はまたほぉーと感心したように声を出す。その手には髪型を説明してくれるためにほどいてくれた満潮の髪がある。
15: ◆7OUWtrrklk[saga]
2018/03/22(木) 17:56:53.01 ID:i93qXE2v0
別に頭をなでられることが好きなわけじゃない。
司令官以外の男に髪を触られると想像しただけで怖気がするし、最初のころは司令官にだって触られたくはなかった。
いつからだろうか。司令官を他の奴とは違うと感じ出したのは。
いつからだろうか。司令官が他の娘と話しているとイラっとするようになったのは。
でも、これだけは覚えている。これだけは忘れられない。
16: ◆7OUWtrrklk[saga]
2018/03/22(木) 17:57:22.27 ID:i93qXE2v0
17: ◆7OUWtrrklk[saga]
2018/03/22(木) 17:57:52.76 ID:i93qXE2v0
今日の司令室はいつもより騒がしかった。
響くのは怒声。
提督が怒っているのではない。提督が怒られているのだ。
霞「だからここはこの編成で行く方がいいって言っているでしょうが!」
18: ◆7OUWtrrklk[saga]
2018/03/22(木) 17:58:26.04 ID:i93qXE2v0
霞「……ふぅ。じゃあこの育成計画書の通りに進めるわね」
提督「ああ、ありがとう霞。お疲れ様」
霞「はいはい」
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