7: ◆7OUWtrrklk[saga]
2018/03/22(木) 17:52:29.64 ID:i93qXE2v0
昔から海が好きだった。大きく青い海が大好きだった。
そんな大好きな海が今未知なる敵によって危険に晒されている。海軍の家柄であったことを差し引いても、自分が海軍を志望したことは彼からすれば至って当然のことであった。
提督「…………」
提督は今全裸で海に浮かんでいた。
場所は鎮守府すぐ近くの海。司令室からいつも見えている母なる海だ。
仕事はまだある。端的に言えば逃げ出してきたのだ。おそらく今日の秘書艦は今頃自分を探しているだろう。
提督「…………」
ぷかぷかと浮いているのが気持ちがいい。まるで無重力の中に漂っているみたいで、子供のころから疲れたときはこうしていた。
そろそろ仕事に戻ろうと思っていたとき遠くから声が聞こえてきた。
「どこ行ったぁぁぁぁーーーーっ!!! このクソ提督ぅぅぅぅーーーーーっ!!」
提督「……まずいな」
自分がここでサボることは誰にも言っていない秘密の場所だ。まさに灯台下暗し。誰もこんなところでサボるなんて思いもしない。
そんなところで見つかってしまえば次からアイツはすぐにここに来るだろう。それだけは回避しなければならない。
提督「やむを得ん。こそこそと逃げ隠れするのは性に合わんというのに」
すぅっ、と息を吸い込んで潜水。静かに、しかし深く。
そのまま平泳ぎの姿勢で先ほど声のした方角へ向かう。こうすれば丁度すれ違うことができるだろう。
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