加蓮「……ねえ、私の眷属になってよ」奈緒「え……」
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84:名無しNIPPER[saga]
2018/03/22(木) 00:17:18.94 ID:pEANMrWe0
「ねえ、奈緒。聞いてくれる?」

加蓮が急に真面目な顔になってあたしの方を見る。
急にどうしたんだ……?

「あのね、この前まではというか出会った頃は奈緒を眷属にしたいって思ってたんだ。好きな時に血が吸えて、なにより寂しかったから一緒にいて欲しかったの」

「……ああ」

「でも今は違う。私は奈緒のことを眷属なんかにしたくない」

加蓮は真剣な表情で続ける。

「奈緒を眷属にしたいっていうのは私の自己満足。奈緒を眷属にして一緒に暮らすようになってもきっと私のほうが先に寿命がきちゃう」

「そうなったら、きっと奈緒が私みたいな寂しい思いをすることになる。それだけは絶対に嫌」

「加蓮……。お前は優しいやつだな」

こいつは……加蓮はもう魔物なんかじゃない。ちょっと血が好きで、ちょっと魔力が高くて、ちょっと寿命が長い人間だ。そこにあたし達と何の違いがあるのか。

「だから、今更眷属にして欲しいなんて言ったってダメだからね!」

「……ああ。あたしは人間として生まれたんだ。人間として生き抜いて、そして死んでいくよ」

「…………」

「どうした?」

「ああっ、ごめん。それがいいよ」

加蓮は一瞬なにか悩んだそぶりを見せてから慌てて返事をする。
どうしたんだ……?まあいいか。

「もうしばらく世話になると思うけどよろしくな」

「うん、こちらこそ!」

そう元気に返事した加蓮はどこか悲しい顔をしていた。
やっぱりもう一回一人になるのは寂しいのだろう。あたしがしっかりアーニャを守れるほどの力をつけて、ここを出て行った後もたまに遊びにきてやるか。



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