87:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 01:54:37.28 ID:EAF0Yir90
8月30日 AM11:30
「よーし!それじゃあ今のところをもう一度!」
どうやらそこでは舞台のオーディションが行われているらしい。
主演希望の女子大生たちが
演出担当の学生たちが見守る中でその台詞を舞台の上で叫んでいた。
それから女性たちは一人ずつ舞台に立ち、壇上でセリフを読み上げていった。
「………もし」
「生まれ変わることができるなら…」
「それが神に逆らうことであっても…」
「私はあなたのそばに」
「あなたと一緒にいたい」
「ああ、面影さえも 鮮やかに浮かぶ」
「あなたに会うことができたなら なんといえばいいのかしら」
「すべてが夢ならば」
「夢から覚めた時 あなたがいてくれたら」
それがこの舞台に立つ主演女優のセリフだった。
この舞台の公演は『仮面』というモノ。
その内容は若い娘が交通事故で顔全面に火傷を負い、凄惨な形相になってしまった。
その娘は醜い素顔を晒したくないと仮面を付けるようになり人目を遠ざけるようになる。
しかしそんな娘が恋に落ちた。それは決して報われぬ恋。そんな悲恋の物語だった。
確かにその内容は娘の苦悩や罪悪感を描いた文学的な演目だ。
だが残念なことにそれを演じる女子大生たちの演技力が伴っていなかった。
恐らくこの中に主演を務めるだけの演技力を持ち合わせる女性はいないはず。
そんな風に見つめていた。
だが舞台の演出をしていた学生の一人がこう呟いた。
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