86:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 01:53:16.34 ID:EAF0Yir90
「キミ、先ほど僕が陽一さんに尋ねられた際…
思わず会話を遮りましたね。彼にはすべてを知る権利があったはずですよ。」
「そんな事言われなくてもわかってますよ…けど何も知らないとはいえ…
実の祖父を自分の命が助かるために犠牲にしたなんて俺には伝えられません…」
「なるほど、それがキミの考えですか。」
「何すか?文句があるなら聞きますけど。」
「文句なんてありません。それが正しいと思うならキミは胸を張るべきだと思いますよ。」
別に右京は今のことについて咎める気などなかった。
確かに真実を告げることは大事なことだ。
しかしそれも時と場合を考える必要がある。
特に今回の事件で絡んでいるのは呪いのビデオだ。
人を殺せるおぞましいモノを相手にしなければならないのに
そんな破を突くような真似をしてあの二人に害が出れば取り返しのつかないことになる。
一見正反対だが今回に至っては右京もまたカイトの意見を尊重してみせた。
「それよりこれからどうしますか?
確かに高野舞の話は参考になったけど結局実験は失敗してるし…」
「いえ…大変参考になるお話でしたよ。
なるほど、これで繋がってきました。
ところ次の場所へ行く前にちょっと寄り道しておきたいところがあります。」
「寄り道ってどこですか?」
「それはこの学校の演劇部です。」
高野舞からの聞き込みは終えたというのに何故かまだ大学に留まる右京。
そんな右京が次に訪れたのがこの学校の演劇部。
何故、この学校の演劇部を尋ねるのかというと
それは先日の内村部長の部屋にあったこの学校の舞台パンフレットを見たからだ。
あの内村が大学の演劇に興味を示したのが些か気になったようで少し覗いてみたい。
そんなわけでさっそくその演劇部を訪ねてみた。
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