54:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 01:13:23.06 ID:EAF0Yir90
「ちょっと待ってください!それはつまり貞子さんの姉とか妹じゃないんですか?」
「いいえ…当時あの家に女の子は貞ちゃんしかいなかった。
その女の子は貞ちゃんと同じ外見をしてたけど貞ちゃんじゃない…
根拠のない直感だけど私にはその確信があった。
その子は長い黒髪で顔を隠していたけど
その隠れた顔から気味の悪い目つきで私を睨んできた。
恐くなった私は急いで逃げたんだけど…
気付いたらその子はいなくなっていた。それにいつの間にか貞ちゃんも戻っていたわ。」
長い髪で顔を隠した女の子…
それはまさしくビデオの映像にあった志津子と一緒にいた少女にちがいないと確信した。
だがそれと同時に山村貞子という存在がさらに奇怪なモノに思われた。
「だからアンタたち。
これ以上貞ちゃんに関わればアンタたちまで不幸になるよ。」
それが女将からの忠告だった。
確かに女将の忠告するようにもう貞子の足取りを追うのはやめるべきかもしれない…
そんな女将の忠告に対して右京は荒れた海を見つめながらこう呟いた。
「海、荒れていますね。山村貞子さんがこの島を出て行った時も荒れていたのでしょうか。」
「さあ…私には何とも言えないよ…けどそれがどうかしたのかい?」
「僕は思うのですが
この荒れた海と同じく人は荒波に飲み込まれても進まなければならない時がある。
確かに女将さんの忠告を聞くのは簡単です。
ですがそれは一人の人間の死に繋がる。
だから僕たちはこの歩みを止めるわけにはいかないんですよ。」
今回、右京たち特命係は15年前に呪いのビデオに関わった早津の命を救うべく動いている。
その彼らが捜査を中断すれば彼の命は失われる。
だからこそ彼らは捜査を続ける。たとえその先に邪悪な何かが待ち受けているとしても…
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