53:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 01:12:56.91 ID:EAF0Yir90
「あ、いたいた!ちょっと待って〜!」
しかし船乗り場に乗り込もうとした二人の前に
昨日駐在に夕食を届けに来てくれた女将が駆けつけてきた。
「アンタたち…貞ちゃんのことだけど…追いかけるのはやめときな…」
「それは何故ですか?」
「何故って…
アンタたちもわかったでしょ…貞ちゃんと関わった人はみんな不幸になるんだよ…」
貞子と関わった者はみんな不幸になる。確かにその通りかもしれない。
これまでわかったことでも貞子に関わった人間はほとんどが死んでいる。
15年前の呪いのビデオに関わった人間たち。それに貞子の親族たちも…
そのことを考えれば女将の忠告は正しいのかもしれない。
「何か理由があるのですか。」
「え…理由って…?」
「あなたがこうして僕たちに山村貞子の捜査をやめるように言うのは
何かあなただけが知っている貞子さんの秘密をご存知だからではありませんか。」
女将だけが知る貞子の秘密。
それを問われて思わず目を反らす女将。
それから二人のためにと思ったのか女将はその秘密を打ち明けた。
「もう昔のことだけど一度だけ山村の家に遊びに行ったことがあるのよ。
志津子さんの事件があってから暫くはあの家にあまり人が近寄らなくなったんだけど
私は貞ちゃんの友達だったから…親に黙って遊びに行ったのよ。
それでね…その時に既に気が振れた志津子さんが私を睨んでて…
それで恐くなった私は貞ちゃんとはぐれて家の中で迷子になったのよ。
その時だったわ、私は貞ちゃんを見つけたんだけど…けどそれは貞ちゃんじゃなかった。」
それはとても奇妙な出来事だった。
女将が子供の頃に山村家で遊んでいたら貞子の他にもう一人の少女が居たという。
だがそれは貞子であって貞子ではなかった。
まるで別人、女将が語るには貞子が二人いるように思えたとのことだ。
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