263:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 17:47:34.60 ID:EAF0Yir90
「冠城くん…キミはどうしてこちらへ…?」
「偶然…という言い訳は苦しいですよね。
まあ気になって後を尾けてきました。あ、お叱りは後ほどで…」
冠城亘、カイトがいなくなった後に現れた右京の元同居人。
この3月まで法務省のキャリア官僚だったが
青木年男が唯一の目撃者となった事件で捜査妨害を行ったことで法務省を退職。
その後は直属の上司だった日下部彌彦の計らいで晴れて正式に警視庁へ異動。
これまで特命係に配属された中ではかなり異色なキャリアの持ち主だ。
「だから言ったじゃないですか。
右京さんは先日の事件で怪我がまだ完治してないんだから付き添うって…」
「僕も申し上げたはずですよ。
今回はどうしても一人で行きたいから遠慮してほしいとね。」
「けどそうやって一人で秘密を抱えてると気になっちゃうじゃないですか。
いつも右京さんも言ってるでしょ。細かいことが気になるのが僕の悪い癖だってね。」
そんな軽快な軽口で右京の叱責を躱す冠城。
普段ならこのふざけた態度に少しは腹立だしく思えるが
今日に限ってはそれが何故か心地よく思えた。
それに気づけば先ほどまで心の中に渦巻いていた負の感情がなくなっていた。
まるで闇に一条の光が差し込んだが如く消し去られたみたいに…
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