259:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 17:33:50.93 ID:EAF0Yir90
「それにキミのお父さんに……この僕もキミが帰ってくることを望んでいます。」
「カイトくん、キミは決して一人ではありません。
今、話したようにキミには支えてくれる人たちがいる。
それにかつての彼らも…
亡くなった小野田さんたちも僕たちの危機を救ってくれた。」
「だから改めて伝えたい。
かつてキミを助けてくれた彼らのため、
今もまたキミを信じて待ち続けている人たちのため、
今度こそ正しい道を歩んでください。それがキミに出来る唯一の償いです。」
それが右京の伝えたい言葉だった。
その直後に看守から面会時間の終了を促された。これで本日の面会は終了となった。
看守に付き添われて面会室を退室させられるカイト。
そんなカイトだが最後に一言、右京にこう伝えてみせた。
「杉下さん…ありがとうございました…」
その言葉を伝えると同時にカイトは退室した。
『ありがとう』
その言葉には右京と相棒を組んでからこの3年間、様々な想いが込められていた。
カイトから送られたこの言葉を胸に抱きながら
右京は先ほどカイトに見せたかつての写真をもう一度覗きながら思った。
「官房長、改めて僕たちの命を救ってくれたことを彼に代わってお礼を申し上げます。」
今はもうあの世にいるかつての仲間に礼を述べる右京。
特命係が作られてから30年近くが経過した。
あの時の生き残りは自分と石嶺小五郎のみ。
もう一人の生き残りだった萩原壮太も数年前に癌を発症して帰らぬ人となった。
彼らから託されたこの命、決して無駄にはしないと堅く誓ってみせた。
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