255:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 17:30:49.29 ID:EAF0Yir90
「この写真ですが既に殆どの人たちが亡くなっています。」
「亡くなっているって…どういうことですか…?」
それから右京は特命係が作られた経緯から語りだした。
そもそも特命係とは警察庁の小野田官房長によって発足された組織だ。
その理由はもう30年ほど前のことになる。
かつて大使館で人質籠城事件が発生。
警察はこの事件を表沙汰にすることなく秘密裏に対処する構えに出た。
そのため急遽対策チームを作ることになった。それが緊急対策特命係。
現在の特命係にあたる部署だ。
この写真はその結成時に撮られたものらしい。
「ですがこの事件で大勢の隊員たちが死亡。
僕はその責任を取らされる形で名前を変えた今の特命係に移動。
こうして緊急対策特命係は現在の窓際部署になったわけです。」
それが特命係の作られた経緯だ。
そしてもうひとつ、カイトは右京が今までこの事実を告げられなかった理由を話した。
「そして僕の隣に写っている小野田官房長です。
彼は2010年に起きた前代未聞の警視庁籠城事件。
その直後に警視庁の幹部職員に逆恨みの形で刺されて殉職なされた。
つまりその写真に写っている人たちは殆どが既にこの世にいないんですよ。」
そのことを聞かされてカイトはショックを受けた。
小野田官房長の名前は以前から耳にはしていた。
だが実際こうして顔を見るのは今日が初めてだ。
それに今までこの人たちにお礼をしようと何度も探し回った。
しかしどれだけ探しても緊急対策特命係なんて聞いたこともないと言われる始末。
それがこんな形でようやくわかるとは…
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