239:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 15:21:53.21 ID:EAF0Yir90
「貞子さん、お母さんを成仏させてください。それが出来るのは娘のあなただけです。」
「けど私の力は45年前にもう一人の私と分かれた時になくなってしまったわ…」
45年前、あの惨劇の後で再び分かれた貞子は異能の力を失った。
あれから普通の人間になった自分が母に何をしてやれるのか?
そんな不安を抱く貞子に亀山、神戸、カイト、の三人はこう告げた。
「力なんて関係ありませんよ。
あなたがお母さんを成仏させたいっていう願いがあればそれで十分なはずです!」
「僕もオカルトには詳しくないですけど…親子に超能力なんて関係ないでしょう。」
「いざとなったら俺たちが付いてますから安心してください!」
力は関係ない。
娘として母親に一言声を掛けるだけで十分だと…
「お母さん。お久しぶりです。私…貞子だよ…」
「うん、あれから大島に戻ってきたの。」
「ねえ、お母さん。私…今…幸せだよ…」
「好きな人とも結婚できた。子供も出来てそれに孫だって…」
「うん、夢は叶えられなかったけど…それでも人並みの幸せは得られたわ。」
「私はもう平気だよ。だから安心して。」
「お母さん、今までありがとう。」
貞子が話し終えると何かがこの部屋から抜け出た感覚が走った。
恐らくこの部屋に囚われ続けていた志津子の霊が成仏したようだ。
霊感の強い亀山やカイトなどは志津子が穏やかな顔で消えていったと話した。
それを聞いて和枝もようやく憑き物が落ちたことで安堵することが出来た。
こうして長年山村家に付き纏っていた禍々しい想いは祓われた。
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