238:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 15:21:23.76 ID:EAF0Yir90
9月3日 PM15:00
「あなたたち…また…」
「奥さん落ち着いて!今日はお話を聞きに来たわけじゃないので!」
右京たちは貞子を連れて再び山村家を訪れていた。
全員が山村家に入ろうとする中、唯一人この家に入ることを躊躇する貞子。
それもそのはず、恐らく貞子は大島に戻ってからこの家には絶対近寄らなかった。
その理由は自分の正体を感づかれたくなかったことにある。
それにもうひとつ理由もある。それは…
「お母さん!」
そんな貞子だが何かに気づいたかのようにある部屋へと走り出した。
右京たちも急いであとを追うがそこはかつて使われていた志津子の部屋。
その部屋で霊感の強い者たちは志津子の幽霊を目撃した。
「そんな…母がどうして…?」
「恐らくこの世になんらかの未練が残っているのではありませんか。
きっと娘のあなたのことを心配していつまでも成仏出来ずにいるのかもしれません。」
かつて母の志津子は三原山の火口に身投げした。
当時子供ながら貞子自身も母の死を間近で目撃していた。
まるで自分の命を生贄にこの大島の怒りを…
いや…もう一人の悪意ある自分の怒りを鎮めようとした志津子。
その霊が今も尚この家を彷徨っていると知り居た堪れなくなった。
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