216:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 14:21:32.01 ID:EAF0Yir90
「伊熊さん、あなたが存命の内に聞いておかなければいけないことがあります。
45年前、山村貞子を井戸に閉じ込めたのは父親であるあなたですね。」
「そんな…あり得ないですよ!」
「そうですよ!貞子は実の娘じゃないですか!?」
「実の娘だからですよ。
これ以上娘の所為で人が死ぬのは耐えられない。そう思ったのではありませんか?」
45年前、貞子を井戸に突き落としたのは父親である伊熊平八郎だと推理する右京。
その推理が正しければ色々な疑問が解ける。
劇団飛翔の団員たちの失踪、もしその時に団員を殺したのが貞子ならある疑問が生じる。
それは彼らの死体処理だ。
団員たちの死体は45年経過した現在でも見つかっていない。
それを井戸に閉じ込められた貞子が処理を行ったとは考えにくい。
だがそれを第三者である人物が行ったとすればどうであろうか?
あの時、それを行えたのは唯一人。父親である伊熊平八郎しかいないはず。
「ソウデス…ワタシガサダコヲイドニトジコメタンダ…」
それから伊熊は語り始めた。
57年前、能力に目覚めた貞子は母の志津子以上の素質があった。
これをどうにかするには貞子をふたつに切り離さなければいけない。
そう考えた伊熊はあらゆる方法を駆使して貞子をふたつに切り離すことに成功する。
一方は母親に似た美しい少女、だがもう一方はドス黒く禍々しい存在…
伊熊はそのもう一人の貞子を伊豆の家にクスリ漬けにして監禁状態にしていた。
そうでもしなければ彼女は間違いなく人を殺そうとするからだ。
しかし、事態は最悪の結果を生んだ…
結局分離したとはいえ善良の貞子の幸せを妬んだ悪意の貞子が尽くその幸せを踏み潰し、
それに怒りを感じた劇団飛翔の団員たちと婚約者を殺された宮地彰子が
悪意の貞子を殺しに乗り込んできた。
貞子は元のひとつに戻り劇団飛翔の団員たちと宮地彰子を返り討ちにした。
もうこれ以上貞子を抑えきれないと思った伊熊は貞子を襲い、
井戸に閉じ込めてしまうという悲しい話であった。
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