209:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 14:07:29.67 ID:EAF0Yir90
「既に死者であるあなたに…この世界で生きる資格はありませんよ…」
「ソ…ソンナ…」
右京の非情な一言が貞子の胸に突き刺さった。
それから力尽きた貞子は
右京の足から手を離してしまいその身は再び井戸の水底へと戻っていった。
「貞子が井戸の底へ落ちていった…」
「まるで蜘蛛の糸ですね。
御釈迦様が慈悲で罪人に差し伸べた蜘蛛の糸を
罪人の無慈悲な心の所為で切れてしまう。
結局山村貞子は自分から救いの手を振り払ってしまった。
もしも彼女が一度でも誰かを思いやる気持ちがあれば道は違ったかもしれないのに…」
大勢の人間を犠牲にしてでもこの生き地獄を抜け出そうとした貞子。
しかし人を呪い続けた貞子にこの地獄を抜け出すことは出来なかった。
恨みつらみを抱えたまま、自分だけが報われるなんてことは決して有り得ない。
これだけは誰であれ何物にも変えられない真実だった。
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