208:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 14:06:54.26 ID:EAF0Yir90
「それは…」
「僕たちが…」
「今を生きる…人間だからですよ…」
「カイトくん!ロープを離してください。それから急いで壁によじ登って!」
右京が目覚めた。
そして右京の指示を聞いたカイトはすぐさまその言葉通りロープを離して壁によじ登った。
その行動を目の当たりにした貞子も二人を追おうとしたが…次の瞬間…
「!?」
ロープがブチッと契れた。
それと同時に貞子は落っこちそうになった。
「イヤダ…マタアソコニモドリタクナイ…」
だが往生際悪く貞子は右京の足に掴まって落下を防いだ。
未だに生にしがみつこうとする貞子。
「イキタイ…イキタイ…ワタシモソッチヘイキタイ…」
その様は最早執念と言ってもいいモノ…
そんな生への執着には恐怖を通り越して哀れみすら感じられた。
だが生を許されるのはこの世に居る人間のみだ。
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