右京「呪いのビデオ?」修正版
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206:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 12:49:54.56 ID:EAF0Yir90


「あなた方は…もしかして神戸さんが呼んだ応援の人たちですか?」


「神戸?懐かしい名前ですね。
それよりも甲斐さん、杉下を背負って今すぐこの井戸から脱出してください。
脱出するためのロープを用意しました。これによじ登れば必ず上に辿り着けますよ。」


それから背広姿の男は気を失っている右京をカイトに託してそれと同時にロープを渡した。

男の言うようにロープはこの頭上高くどこまでも伸びていた。

これならどうにかして上に戻ることが出来る。

だが問題はまだ残っている。それは貞子だ。

この女をどうにか押さえ込まないとならないわけだが…


「キミたちが登りきるまで我々が貞子を抑えています。
しかしどこまでもつかはわかりません。さあ、時間はありませんよ。急いでください。」


どうやら彼らは自分たちが脱出するまで貞子を阻んでくれるらしい。

一瞬、彼らのことを心配したが

自分たちも長時間水の中にいて疲労困憊で他人のことを心配する余裕がなかった。

とにかくこれで助かる算段は整った。

それにこの人たちの厚意を無碍にすることは出来ない。

今は黙って言うことを聞くしかない。


「本当にありがとうございます。けど最後にお名前くらいは教えてくれませんか。」


「名前…ですか…」


名前を聞かれて一瞬その背広の男は迷った素振りを見せた。

何か名乗れない事情でもあるのかと察するカイトだが…

すると背後で未だに貞子を押さえ込んでいる

特殊班の隊員たちの背中に書かれているロゴを見て背広の男はこう名乗った。


「我々は緊急対策特命係です。」


自分たちは緊急対策特命係と…男はそう名乗った。

まさか自分たちと同じ特命係が他にもいるとは…

こんな事態とはいえ思わずそのことに驚くカイト。

だが時間は迫っていた。驚きつつもカイトはロープを伝って登りだした。


「甲斐さん、杉下のこと…頼みましたよ。」


ロープをつたっていくカイトに男はそんな言葉を伝えてみせた。

そんな男だが希望を託すのと同時に少しながら寂しさを含むような表情が見受けられた。

それはまるで自分にはもう杉下右京を助けることが出来ないという悔い…

そんな想いが感じられた。


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