195:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 11:17:06.79 ID:EAF0Yir90
「お前…心に闇を抱えているな…」
男にそのことを問われてカイトは思わず目を反らした。
普通ならこんな時に何をわけのわからないことを言うのかと思うだろう。
だがカイトは自身に向けられたその言葉の意味を察することが出来た。しかし…
「それはここに置いていけ。この闇はいずれお前を不幸にするぞ。」
男がそう言った瞬間、まるで心の中に蠢く何かが腕を伝って抜けていくのが感じられた。
それに伴いこんな状況下で心が不思議なほど冷静でいて穏やかになった。
先ほどまでの恐れや焦りといった感情がまるで何処かへ消えたかのようだ。
「あなたは誰なんですか?どうして俺を助けてくれるんですか!?」
「それはキミが息子の陽一に祖父を殺したという悲しい事実を伝えないでくれたからだ。」
「息子の…陽一…?まさかあなたは…」
ここでようやくカイトはこの男の正体がわかった。
彼は15年前、浅川玲子と共に呪いのビデオを調べていた高山竜二。
恐らく彼もビデオの複製が真の呪いの解き方でないことに気づいたのだろう。
だからこそこのことをカイトに警告した。
そんな高山の招待に気づいた瞬間、目の前が光に包まれ再び意識を失った。
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