151:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 08:57:36.25 ID:EAF0Yir90
「山村…貞子…」
つい山村貞子の名前を呟く雛子。
それは自分が幼い頃から疑問に思っていたことだ。
昔から父は誰かを探していた。
それも娘である自分が生まれるずっと以前からだ。
まるで父は何かを求めるかのようにその誰かを探して…いや…欲していたというべきだ。
外務大臣まで上り詰めた父が一体誰を…何を求めていたのか…
幼い頃からずっと疑問だった。そんな疑問が解決したのは15年前のことだ。
『貞子が…死んだ…?』
ある日、父の元へ報せが入った。それは貞子という女性の死だ。
その死を知って父は落胆した。
そんな父の反応を見て雛子もようやく察することが出来た。
父は長年探していたのはこの貞子という女性だ。
貞子の悲報を受けて落胆する父。しかし雛子はそれでよいと思っていた。
これでいい。父はようやく貞子という女の呪縛から解放されることが出来る。
思えば貞子を追い求める父はどこか不気味だった。
まるで何か大きな欲望を求めるようなそんな様が見受けられた。
それが貞子の死でようやく解放される。
人の死を喜ぶのは不謹慎だがこれであの不気味な父を拝まずに済むと思っていた。
ところが…そう思ったのも束の間だった…
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