148:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 08:51:46.93 ID:EAF0Yir90
「さて、先ほどの車の話に戻りましょう。
転落事故があった日、片山議員は吉野賢三のマンションに自らの車を向かわせた。」
「その理由を考えました。
ひょっとしてあのビデオは片山議員が吉野賢三に流したモノではないのかと…」
「そう考えれば辻褄が合います。
つまり犯行に使われた呪いのビデオは片山議員の手によって吉野賢三へと渡った。
議員にとってスクープを狙う彼は邪魔者でしかない。だから排除する必要があった。
しかし排除するにも方法を選ばなくてはならない。大事になれば厄介ですからねえ。」
「そこで思いついたのが呪いのビデオ。
これを吉野賢三に試すことにより口封じが出来てなにより実地テストも兼ねられる。
まさに一石二鳥だと思いませんか。」
それが吉野賢三と小宮の死の真相だと語る右京。
確かにこれならば片山雛子が自らの手を汚すこともなく殺人を行うことが可能だ。
しかしこの推理にはある問題があった。
「まったくバカバカしい話ですね。
仮に呪いのビデオがあったとしましょう。
杉下さんの言うようにサブリミナル効果で人が殺せると仮定するとしてですよ。
それをどう実証するのですか?」
そう、呪いのビデオが凶器である実証を行わなくてはならない。
実証を行うにはどうするか?
その方法はひとつしかない。実際に呪いのビデオを見た人間が死ぬこと。
だがそんなことが許されるはずはない。
事件の実証を行うために殺人を行うなど以ての外だ。
「確かに呪いのビデオを凶器として実証するのは困難です。
しかしそれを実行出来たらどうですか?
そうすれば呪いのビデオが凶器として認められるはずです。」
「だからその実証を行うというのですか。
まさか警察が事件の実証のためにそんな非人道的な行いをするとでも?」
「いいえ、そんなことをしなくても呪いのビデオを観てあと二日で死ぬ人間が二人います。
その二人が死ねば呪いのビデオは凶器として実証される。
そうなれば警察が本格的に動くことが可能です。」
呪いのビデオを観てあと二日以内に死ぬ人間…?
そんな人間がどこに…
すると右京は雛子を睨みつけた。
それと同時にカイトも今の右京が言った意味を察することが出来た。
その二日以内に死ぬ人間というのが…
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