135:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 08:01:00.43 ID:EAF0Yir90
「それでは、事件の発端は45年前…いえ、57年も前に遡ります。
当時、伊熊平八郎という学者が
大島に住む山村志津子という女性を被験者とした超能力の公開実験が行われていました。
そこで彼女はあらゆる実験を成功させましたが
一人の記者がこの実験を「インチキだ!」と罵った。
その直後、記者は急性心不全で亡くなった…
山村志津子が殺したのではと疑いを掛けられた志津子は発狂し…そして亡くなった。」
「……気の毒な話ですがそれが何か?」
「話は続きます。それから12年後…
山村志津子の娘である山村貞子は成長して劇団飛翔に入ります。
彼女は女優になる気だったのでしょうね、しかしそうはならなかった。
劇の本番中に貞子は予想しなかった事態が起こり…舞台で死人が出た。
その直後…劇団員たちは行方不明…になりました。」
「そんな半世紀も前の事件を話されても困るんですけど…
杉下さん、あなた本当に何しに来たんですか?」
確かにこの事件は45年も前の出来事だ。
こんなことを今更洗いざらいしたところで何になるというのか?
だがこの話はまだ続きがあった。
「57年前に亡くなった記者には当時婚約者がいたそうです。
名前は宮地彰子、彼女は山村志津子の公開実験を調べていたそうですよ。
それはそうでしょうね、婚約者が殺されたのだから…
そして彼女は山村志津子の公開実験から12年後に
娘の貞子が所属する劇団飛翔に赴きます。目的は恐らく貞子を殺すため…
そのために彼女は拳銃を用意したそうですから。」
「け…拳銃…」
「復讐のために娘の貞子を殺そうとするなんて…」
「以前帝都新聞に勤めていた美和子さんから聞いた話です。間違いないはずですよ。」
拳銃の話が出て刑事の職柄か思わず反応してしまう伊丹たち。
だが雛子にはわからなかった。
いくら拳銃が出たところでそれは45年前の出来事。今更罪を問うことなど出来はしない。
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