136:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 08:02:27.77 ID:EAF0Yir90
「少しおかしいと思いませんか。
山村志津子が亡くなったのは公開実験が行われてからすぐの事だったとか…
それなのに宮地彰子はその後も事件を調べ続けた。」
「それは…娘の山村貞子を殺すためじゃないんですか?」
「ではそれは何のために?」
「決まってるでしょ。
志津子を殺せなかったから代わりに
娘の貞子を殺して婚約者の恨みを果たしたかったんですよ。」
この話を遮るように口を挟んできた伊丹たちの見解は復讐との答えだ。
雛子もその答えに納得の様子を見せている。
確かにそれなら一見辻褄が合わなくもない。
だがそれでも12年も亡くなった恋人のためとはいえ尋常ではない執念深さを感じられた。
「なるほど…恨みですか。その考えにも一理あります。
しかしそれなら何故さっさと貞子を殺さなかったのでしょうか?
ただ殺すだけならいくらでも機会はあったはずですよ。
それに宮地彰子は 警察の調書や実験の時の録音テープまで調べていたとか…
何故でしょうかねぇ。」
「前置きが長いのは杉下さんの悪い癖ですね。
恐らく杉下さんはこう言いたいのでしょう。
公開実験で記者が死んだのは山村志津子の所為ではないと…」
「そう!まさにその通りなのですよ!さすがは議員、冴えていらっしゃる。」
「まさか…その記者を殺したのは私だとか言わないですよね。
言わなくてもわかると思いますけど57年前なんて私は生まれてませんからね。
それなのに私を疑うなんて馬鹿げてますわ!」
片山雛子の年齢は30代後半。
事件が起きた57年前はまだ生まれてすらいない。
そんな自分が当時の容疑者だとでもい言いたいのかと苛立ちを見せた。
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