114:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 07:18:52.78 ID:EAF0Yir90
「犯罪者たちだ。」
そう、犯罪者だ。
法で裁けず警察すら逮捕をこまねく犯罪者たちにこの方法を活用したらどうだろうか。
そうすれば彼らに制裁を与えることが出来る。
そのことを思いつくと同時にカイトの脳裏にある出来事が呼び起こされた。
それは親友の梶祐一郎の妹が殺された事件だ。
容疑者はすぐ逮捕された。だがその容疑者は薬物による心神喪失で不起訴処分となった。
そのことを不満に思った梶は妹への復讐に殺意を燃やすが
それを見かねたカイトはその容疑者に暴力という制裁を下してみせた。
そしてもうひとつ、カイトにはある秘密があった。
今朝の朝刊の事件欄を読むとある記事に注目した。
『繁華街で元暴力団員が暴行される!犯人は未だ不明!?』
それは昨日角田が捜査していた事件内容だ。
実は26日の夜、カイトはある瞬間に出くわした。
この元暴力団員が危険ドラッグを売り捌く光景だ。
それを目撃したカイトはある衝動に駆られてしまった。
目の前で早津の命を救えなかった無力感。そして法の目を掻い潜る犯罪者たち。
気づいた時には血まみれになったチンピラが横たわっていた。
昨日の話からして警察はチンピラ同士の仲違いによるものだと捜査しているから
決して自分に捜査の目を向けることはないだろう。
だからこの事実はあの右京にすら告げていない。自分だけの秘密だ。
もしもこの方法が成功するのなら自分は助かる。
いや、それだけじゃない。
もしかしたら犯罪被害にあっている人々の救済にも繋がるはずだ。
それを思えば自分のやっていることは善であるとそう思えた。
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