82:1[saga]
2018/03/25(日) 13:53:57.35 ID:CE9RRJAi0
71.3週間後 放課後
流れるように月日が経ち、もう肌寒い冬を感じ始める10月中旬。カレンダーのばつ印はコンクールへの猶予を少しずつ削っていく。
コンクールを5日後に控えた今日、私は1人で夕日に向かいながら歩く。
少し遠くに、3週間前に唯先輩と来たお菓子屋さんが見えた。私は気まぐれに立ち寄り、カヌレを買ってまた道を行く。
今日は母方のおばあちゃんの命日。手に花を持ち、墓地の敷地に入った。
「有馬さん……?」
有馬さんは微笑みながら、1人で墓石を眺めていた。宮園さんだな、私はなんとなく感じた。
「あ、中野さん」
私は小さくお辞儀する。
「今日は1人かい?」
「はい。おばあちゃんの命日なので……」
「そっか」
少し気まずい空気になる。有馬さんはそれを断ち切るように立ち上がった。
「それじゃあ僕は、これで……」
「待ってください!」
私はびくっとした有馬さんに、
「お願いします。少し、話を聞いてもらえませんか……?」
丁度いい機会。迷う心、逃げたい気持ち。しかし私は決心して、有馬さんに頭を下げた。
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