74:1[saga]
2018/03/25(日) 13:11:11.18 ID:CE9RRJAi0
63.夜
どこに行ってしまったのか。よく行く河原や公園、商店街にはいなかった。憂と私は一旦別れ、私は深く考え込む。
もしかしたら一人でいたところを、男の人に無理やり連れていかれたのかもしれない。その場合早く警察に連絡しなければいけないのではないか。
ふらふらして危なっかしい人だから、携帯電話の充電が切れていて友達の家に遊びに行っている可能性もある。
いやないか。今はもう9時だ。とっくに帰ってくるだろう。つまり唯先輩は、自由に身動きが取れず携帯電話も触れない状況にあるか、意図的に携帯電話を無視しているかの二択だ。
夜の寒さも相まって、鳥肌がたった。
学校に到着し音楽室の鍵をあけて中に入るが、中には誰もいなかった。鍵が開けっ放しになっていたと警備の人からの証言があったので、怪しいと思って深夜の学校に突入してきたのだ。
と、携帯電話が鳴る。
「あれ、私のじゃない……」
ピアノの下で何か光った。あれは唯先輩の携帯電話だ。
開いてみると、数十件のメールや電話が来ていた。ほとんどが親や憂で、私のメールも届いていた。
「どこにいるの……あれ?」
ピアノの上にかける布が下に落ちていて、妙に膨らんでいた。布をとってみると、
「ひいっ」
思わず悲鳴をあげた。そこには唯先輩が倒れていたのだった。
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