唯「四月は君の華」
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70:1[saga]
2018/03/25(日) 13:02:11.32 ID:CE9RRJAi0
59.梓side 閉幕後(数十分後)

私たちの演奏の後、少しのプログラムを挟んで閉会式だった。閉会式が終わり唯先輩と舞台裏でくつろいでいたところ、喉が渇いたということで外に出てきた次第である。

公生「唯ちゃん、中野さん!」

私たちが振り返ると、ホールの中から流れ出る人の中で有馬さんや椿さん、相座兄妹や絵見さんが迎えてくれる。
私は椿さんに抱きつかれ揉みくちゃにされ、唯先輩は絵見さんに頭を撫でてもらっていた。

公生「だから言ったんだよ」

有馬さんはいつもみたいに笑って、

公生「君の短調さは問題ないって。星は君の頭上に輝くって」

私は有馬さんと握手した。有馬さんへの感謝の気持ちで胸が張り裂けそうだった。


「あの……平沢さん!!」


振り返ると、唯先輩と同じ色のネクタイをした、つまり2年生の女の子が10人くらい唯先輩に詰め寄っていた。

唯「は……はい……?」

「あのね、えっとね……」

先頭にいる人は興奮冷め止まない様子で、身振り手振りで必死に何かを伝えようとする。

「私、感動した! ごめん、なんて言っていいのかわかんないけど、すっごい感動した!!」

「あたしも! すっごいすごかった!」

唯先輩はあっという間にその子たちに囲まれてしまった。最初はただ驚いて怯えていた唯先輩も、次第に控え目に笑えていた。

「平沢さん」

「はい……?」

「私平沢さんのことよく知らなかったけどでも! だから、知りたいの」

先頭の人は、思いっきり頭を下げて、手を差し出した。

「私と、友達になってください!」

それがなんだかプロポーズしているみたいで、私は思わず笑ってしまった。
唯先輩はしばらく固まっていたが、

「わ、私と……? ほんとに……?」

唯先輩の目から、大粒の涙がポロポロ流れ落ちた。なんで泣くの、そう女の子たちは笑い、唯先輩もつられて笑った。

こうして唯先輩に、ちなみにこの後私にも沢山の友達ができたのだった。



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