唯「四月は君の華」
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41:1[saga]
2018/03/24(土) 22:01:30.26 ID:N9NZ/oAL0
33.

唯「あーずさちゃんっ♪」

梓「ひぃっ」

頬に冷たい感触。唯先輩はオレンジジュースを私に差し出した。

梓「私、さっき飲みすぎて喉乾いてないですよ」

私がそれを受け取ると、唯先輩は私の横に腰掛けた。部屋には私たち2人。他の4人は隣の部屋でゲームをしてる。私は1人で抜け出して空を眺めていた。考え事をしたい気分だったのだ。

唯「楽しいね」

唯先輩は終始笑っていた。純とともに私をいじめるときも、何もない今でも。

梓「はい、すっごく楽しいです」

梓(唯)「「唯先輩(梓ちゃん)のおかげですね(だね)」」

私たちは目が合い、おかしくてまた笑った。

梓「……月が」

私は目の前にあるような満月を眺め、

梓「月がきれいですね……」

唯先輩も空を見上げる。

唯「そうだね……とっても、とっても」

夜空の星はやっぱりきれいで、月もやっぱりきれいだった。

あなたと見た空も、いつも通りにやっぱりきれいだった。

唯「いつもひとりぼっちにはあきあきしたな……」

梓「……誰の言葉ですか?」

唯「チャーリー・ブラウン」

唯先輩は上を見つめ、遠くを見ていた。放っておいたら何処かに行ってしまうような、そんな気がした。

梓「唯先輩、もう一回温泉行きませんか? 私さっきの卓球で汗だくになっちゃって」

唯先輩はすっと立ち上がった。いつものヘアピンを付けてないからかな、少し大人っぽく見えた。

唯「いいよ、行こっ?」

唯先輩は座っている私に手を伸ばす。

私がその手を掴むと、唯先輩は私をそっと優しく引っ張ってくれた。



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