4: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/19(月) 20:24:09.48 ID:pEP07f/C0
だからこそみほは苦しむ。
どうして自分はできないのか、逃げてしまうのか、自分の中で越えられない存在となった姉と比べてしまうのか。
もうなんども繰り返した自己嫌悪。
それはまほ率いる黒森峰女学院を倒した後も変わることはなかった。
5: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/19(月) 20:25:36.71 ID:pEP07f/C0
しかし変わったこともある。
逸見エリカとの関係だ。
嫌われていると思って避けていたのは過去の話で、今はお互いに支え合う大事な恋人だ。
月に何度かあるデートの後、みほの部屋に来ては慰め、 慰められ、体温を分け合う。
これが唯一姉に対する劣等感を忘れる方法であった。
6:名無しNIPPER[sage]
2018/03/20(火) 19:00:39.74 ID:oxBpjriB0
乙 続き待ってます
7: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/20(火) 23:49:26.97 ID:f2yML0Is0
続き書きます。
というか書き終わったので全部投下します!
8: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/20(火) 23:49:58.04 ID:f2yML0Is0
みほ「エリカさん、早く会いたいな。」
口癖のようになってしまった言葉を吐き出し、眠りにつく。
自分で作ったコンプレックスという名の檻の中で、エリカが傷を舐めにくる時を夢見て。
9: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/20(火) 23:50:56.75 ID:f2yML0Is0
次の休日、みほとエリカは町に出かけた。
それは周りからは親友同士に見えただろう。
昔の2人では考えられないくらい近い距離で、買い物したりお茶したり、所謂普通のデートを楽しんでいた。
その後、いつものようにみほの家に行くと、エリカがいつもとは違う表情で切り出した。
10: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/20(火) 23:51:50.77 ID:f2yML0Is0
エリカ「みほ、私たち、このままじゃいけないと思う。」
みほ「え……?エリカさん……?」
みほは頭でそれを理解していたが、理解したくなかった。
11: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/20(火) 23:52:30.87 ID:f2yML0Is0
エリカ「はっきり言うわ。このままだと私たちはお互いに依存しきってしまう。そんなの、支え合っているとは言わない。」
エリカの厳しい言葉に、みほはうつむく。
厳しい言葉が正しいだけに、みほはなにも言えなかった。
12: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/20(火) 23:53:08.81 ID:f2yML0Is0
エリカ「分かっているんでしょう?この関係は私たちが望んでいたものじゃないってこと。」
「その通りだ。」とみほは思った。
みほがエリカに抱いていた感情は、もっと暖かくてキラキラと輝いていたものであったはずだ。
決して冷たい檻の中でお互いの傷を舐め合うようなものではなかったはずだ。
13: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/20(火) 23:54:18.93 ID:f2yML0Is0
みほ「でも、私……。」
エリカ「大丈夫、私がついているわ。」
エリカに優しく抱きしめられたみほはそれでも消えない不安感に怯えていた。
14: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/20(火) 23:55:34.93 ID:f2yML0Is0
みほ「ごめんね、エリカさん。私に付き合わせちゃって。もう大丈夫だよ。」
エリカ「みほ……。」
みほが出した結論は逃げることだった。
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