2: ◆saI1ZNzQKuJn[sage saga]
2018/03/18(日) 21:35:03.69 ID:TwK3jZfv0
エリカ「……少し一人になるわ。片付けお願い。」
小梅「あ、隊長!わかりました。」
小梅には隊長用に設営されたテントに向かっていくエリカの背中がいつもとは違い、どこか弱弱しく見えた。
3: ◆saI1ZNzQKuJn[sage saga]
2018/03/18(日) 21:36:41.32 ID:TwK3jZfv0
みほ「え?逸見さんが?」
小梅「私心配で……どうしたらいいか…… 。」
大洗の隊長でもある西住みほは元々黒森峰の副隊長でもあり、エリカや小梅の友人だ。
4: ◆saI1ZNzQKuJn[sage saga]
2018/03/18(日) 21:37:56.41 ID:TwK3jZfv0
みほ「うーん……。」
小梅「隊長になったエリカさんはきっと誰にも頼ることができずに苦しんでる。でもみほさんにならエリカさんも相談できると思うんです。」
みほ「でも私……逸見さんに嫌われてるし……。」
5: ◆saI1ZNzQKuJn[sage saga]
2018/03/18(日) 21:39:25.92 ID:TwK3jZfv0
小梅「あのテントにいるはずだよ。」
みほ「わかった。ここで大丈夫。行ってくるね。」
小梅「はい、エリカさんをお願いします。」
6: ◆saI1ZNzQKuJn[sage saga]
2018/03/18(日) 21:41:16.92 ID:TwK3jZfv0
みほ「逸見さん?私、みほだけど……入っていいかな?」
テントの向こうに人の気配はあるものの返事はない。
みほは覚悟を決めた。
7: ◆saI1ZNzQKuJn[sage saga]
2018/03/18(日) 21:43:20.74 ID:TwK3jZfv0
みほ「逸見さん、悩んでるみたいだったから……相談にのれればと思って。私も逸見さんの気持ち、わかるから。」
エリカ「あんたになにがわかるっていうの!?」
エリカが怒鳴って振り返る。
8: ◆saI1ZNzQKuJn[sage saga]
2018/03/18(日) 21:44:20.88 ID:TwK3jZfv0
みほ「わかるよ。私もお姉ちゃんのことが大好きだから。」
エリカ「な、何で泣いてるのよ。」
みほ「ごめんね。なんだか昔を思い出しちゃって。」
9: ◆saI1ZNzQKuJn[sage saga]
2018/03/18(日) 21:45:53.30 ID:TwK3jZfv0
エリカ「近づかないで!」
みほ「辛いよね。周りから比べられるのも、自分で比べちゃうのも。……勝てるわけないのにね。」
みほは無視して近づくと、両手でエリカの頬を包む。
10: ◆saI1ZNzQKuJn[sage saga]
2018/03/18(日) 21:47:14.06 ID:TwK3jZfv0
みほ「大丈夫だよ。私はエリカさんが凄い人だってこと、ちゃんと知ってるよ。」
今度はエリカを抱きしめる。
その体が震えていることに気がつくと、みほは目を細めて優しく頭をなでた。
11: ◆saI1ZNzQKuJn[sage saga]
2018/03/18(日) 21:48:34.63 ID:TwK3jZfv0
みほ「いいんだよ、我慢しなくて。今は私しかいないから。」
みほの言葉を皮切りにエリカは声を押し殺して泣いた。
くやしさ、恥ずかしさ、情けなさ、それを悟られないように泣いた。
ただみほだけがその胸で全てを受け止めていた。
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